2020.10.22アロマ図鑑

アロマ〜クローブ clove〜

料理にも欠かせないクローブ。

お肉の臭み消しだけでなく、シチュー、スープ、ポトフ、カレーなどの煮込み料理に使われる方も多いのではないでしょうか。
独特な甘みのある香りは、お菓子にも。チャイティーにも欠かせないスパイスです。

クローブは、アロマでも欠かせない香りの一つです。

クローブは、実や種ではなく、花のつぼみ部分を乾燥させたものです。
つぼみは開花してしまうと香りが弱くなるため、開花の直前に摘まれます。

このクローブのつぼみ、何かに似ていませんか?

そう、釘に似ていますね。クローブは、中国語で釘を意味する「丁」を使い「丁子」とつけられました。

クローブの歴史

インドや中国では、紀元前から使われていました。
風邪の時に舐めて喉の炎症止めとして、また、口臭予防にも愛用されたそうです。

日本には、5、6世紀に伝わったと言われています。
奈良時代・平安時代の宝物が集められている正倉院の中には、「丁香」と刻まれた文字が発見されています。当時すでに輸入されていたのではと考えられています。
平安時代に書かれた源氏物語には、「丁子染」という記述があり、丁子を染料として絹を染めていたと考えられます。

戦国時代の出陣の際には、丁子の香りを兜の中に焚き、自らを鼓舞していたとか。
香料としてだけでなく、刀の錆止めにも使われていました。

中世(17世紀頃)ヨーロッパでは魔除けとして使われました。
特にペストが流行った際には空気の浄化目的で使われ、女性はスカートの裾にクローブを入れるポケットを付けていたそうです。

インドネシアでは、19世紀後半、クローブを混ぜたタバコが発売され、クレテックという名前で人気となっています。甘い香りがするタバコだそうですよ。
今では、インドネシアはクローブの世界一の生産国です。

クローブの植物データ

[原料植物名] Syzygium aromaticum
[科名]フトモモ科
[主な産地]マダガスカル、インドネシア

クローブの精油データ

[主な抽出部位]つぼみ
[精油抽出法]水蒸気蒸留法
[成分]オイゲノール、カリオフィレン

花言葉 

高貴、威厳、上品な優雅さ

クローブと紡ぐ物語

クローブは、種から発芽し、完全に成長するまで20年ほどかかります。
成長すると10メートルほどの高さになり、そこから100年!つぼみをつけ続けます。
ピンク色の花を年に2回咲かせます。

あなたにクローブを贈る

スパイスらしさの中に、バニラのような甘い香りが含まれています。刺激的で、でもほんのり甘い。
長い歴史の中で人々に愛されてきました。
やる気を出したい、でもちょっと甘く落ち着く香りも欲しい。そんな気分の時は戦国武将が自らを鼓舞していたように、クローブの香りをブレンドしてみましょう。