料理にも欠かせないクローブ。
お肉の臭み消しだけでなく、
シチュー、スープ、
ポトフ、カレーなどの
煮込み料理に使われる方も
多いのではないでしょうか。
独特な甘みのある香りは
お菓子やチャイティーにも欠かせません。
クローブは、アロマでも使われます。
クローブは、花のつぼみ部分を乾燥させたものです。
つぼみは開花してしまうと
香りが弱くなるため、
開花の直前に摘まれます。
このクローブのつぼみ
何かに似ていませんか?
そう、釘に似ていますね。
クローブは、中国語で釘を意味する「丁」を使い
「丁子」とつけられました。
インドや中国では
紀元前から使われていました。
風邪の時に舐めて
喉の炎症止めとして、
また、口臭予防にも愛用されたそうです。
日本には、5、6世紀に
伝わったと言われています。
奈良時代・平安時代の宝物が
集められている正倉院の中には、
「丁香」と刻まれた文字が発見されています。
当時すでに輸入されていたのではと考えられています。
平安時代に書かれた源氏物語には、
「丁子染」という記述があり、
丁子を染料として絹を染めていたと考えられます。
戦国時代の出陣の際には、
丁子の香りを兜の中に焚き、
自らを鼓舞していたとか。
香料としてだけでなく、
刀の錆止めにも使われていました。
中世(17世紀頃)ヨーロッパでは
魔除けとして使われました。
特にペストが流行った際には
空気の浄化目的で使われ、
女性はスカートの裾に
クローブを入れるポケットを
付けていたそうです。
インドネシアでは、19世紀後半、
クローブを混ぜたタバコが発売され、
クレテックという名前で人気となっています。
甘い香りがするタバコだそうですよ。
今では、インドネシアはクローブの世界一の生産国です。
[原料植物名] Syzygium aromaticum
[科名]フトモモ科
[主な産地]マダガスカル、インドネシア
[主な抽出部位]つぼみ
[精油抽出法]水蒸気蒸留法
[成分]オイゲノール、カリオフィレン
高貴、威厳、上品な優雅さ
クローブは、種から発芽し、
完全に成長するまで20年ほどかかります。
成長すると10メートルほどの高さになり、
そこから100年!つぼみをつけ続けます。
ピンク色の花を年に2回咲かせます。
スパイスらしさの中に、
バニラのような甘い香りが含まれています。
刺激的で、でもほんのり甘い。
長い歴史の中で人々に愛されてきました。
やる気を出したい、
でもちょっと甘く落ち着く香りも欲しい。
そんな気分の時は戦国武将が自らを鼓舞していたように、
クローブの香りをブレンドしてみましょう。