ハーブとしてもお馴染みのローズマリー。
学名は、Rosmarinus。由来とされる逸話が2つあります。
①ラテン語で「海のしずく」。
海辺の崖に生息し、小さな青い花を咲かせるから。
②聖母マリアの伝説。
ローズマリーの花は、元々は白かった。
聖母マリアがイエスキリストを連れてエジプトに逃げたとき、敵から追われてしまった。
聖母マリアが青いマントを、白い花の咲くローズマリーの木にかけたところ、花が青に変わった。
そのため、マリアのバラ=ローズマリー、と呼ぶようになった。
ローズマリーの木は大体150cmほどのことが多いのですが、それも「イエスキリストの背丈より高くは育たないから」という説もあります。
エジプトの、ファラオ(王)の墓でローズマリーの小枝が見つかっていることから、古代メソポタミア文明ではすでに使われていたと考えられています。
古代ギリシャの神殿では、ローズマリーの小枝が焚かれていました。
古代ローマの人々は、神々をローズマリーで飾り、それを燃やした煙で自らを清めたそうです。
時を経て、14世紀のハンガリー。ハンガリアンウォーターが生まれました。
修道士が、痛風とリウマチの痛みを訴えた王妃エリザベートのために作ったものです。
当時70歳を過ぎていたエリザベートは、このハンガリアンウォーターを使用して健康と若さを取り戻し、隣国の王子にプロポーズされたとか。
それ以降、ローズマリー水は「ハンガリアンウォーター」の名前で有名になりました。
そして、1630年頃、南フランスでペストが流行りました。
その頃、死者に供えられた金品を盗んでいた泥棒がいたのですが、なぜか彼らはペストに感染しませんでした。
その泥棒たちは、ローズマリー、タイム、セージ、ラベンダーをお酢に混ぜて、体に塗っていたのです。
次第に、ローズマリーは魔除けの香りとしても重宝されるようになりました。
[原料植物名]Rosmarinus officinalis
[科名]シソ科
[主な産地]フランス、チュニジア
[季節]秋、冬
[主な抽出部位]葉
[精油抽出法]水蒸気蒸留法
[成分]1.8シネオール、カンファー、αピネン
思い出、私を忘れないで、記憶、誠実、変わらぬ愛、あなたは私を蘇らせる
数々の伝説が残っているローズマリー。
大切な儀式の時だけでなく、魔除けとして使われてきました。
ローズマリーは、海の近くの断崖絶壁に生息します。
乾燥にも強く、日向でも日陰でも、生きられます。土壌も選びません。
成長も早く、枝を切っても新しい葉っぱがそこから伸びてきます。
繁殖力、生命力の強い植物です。
その一方で、情熱的な花言葉。
それは、シェイクスピアの「ハムレット」から来ています。
第4幕第5場には、オフィーリアが花をいっぱい抱えて、自分の兄を恋人ハムレットだと思い、「いつまでも私を忘れないで」とローズマリーの枝を差し出すシーンがあります。
入れすぎると、ローズマリーが主張してしまいますので少量ずつ加減を見ながら加えてください。
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