

*この記事は、2026年9/20に追記修正しています。
好きな香りを嗅いだ瞬間、
ふっと気持ちがゆるんだり、
気分が変わったり。
ある香りを嗅いで、
昔の記憶が突然よみがえったことはありませんか?
香りは、私たちの気分や記憶と、
とても深い関係があります。
では、香りを嗅いだとき、
脳では何が起こっているのでしょうか?

私たちは鼻で香りを嗅いでいます。
でも、鼻に入ってきた香りの情報を
最終的に「香り」として認識しているのは脳です。
空気中に漂っている
「におい分子」が鼻に入ると、
鼻の奥にある嗅覚受容体がキャッチします。
その情報が電気信号に変換され、
嗅神経を通って脳へ伝わります。
そこで初めて、
これはラベンダーの香り
これは金木犀の香り
と、私たちは香りを認識します。

嗅覚のおもしろいところは、
香りの情報を処理する脳の仕組みが、
感情や記憶に関わる領域と密接につながっていることです。
嗅覚に関わる脳のネットワークは、
感情や記憶に関わる扁桃体や海馬などとも
密接につながっています。
こうした脳の仕組みも、
香りが感情や記憶と結びつきやすい理由の
ひとつと考えられています。
そのため、香りが感情や気分、記憶と
強く結びつくことについても研究されています。
昔好きだった人がつけていた香水。
子どもの頃の家の匂い。
雨が降ったあとの土の匂い。
秋になると、どこからともなく漂ってくる金木犀。
香りを嗅いだ瞬間に、
そのときの景色や感情まで
一緒によみがえってくること、ありますよね。
実際、香りは自伝的・エピソード的な記憶を
呼び起こす強い手がかりになることが知られています。
香りは単に「いい匂い」「嫌な匂い」と
感じるだけのものではないのです。
香りやアロマについては、これまで
ストレス、不安、気分、睡眠などとの関係が
さまざまな研究で検討されています。
もちろん、アロマは薬ではありませんし、
香りを嗅げば不安がなくなる
必ず眠れる、というものでもありません。
それでも、
仕事で頭がいっぱいになったとき
人間関係でもやっとしたとき
一日の終わりの寝る前
好きな香りを感じて、ゆっくり深呼吸する。
そんな時間が、
気持ちを切り替えるきっかけになることがあります。
私は、そこにアロマの魅力があると思っています。
忙しい毎日の中で、長い時間をとるのはなかなか難しいですが
香りならほんの1分でも取り入れられます。
香りを感じる。
深呼吸する。
今していることから、ほんの少し離れる。
「活動する時間」から「休む時間」へ。
そんな小さなスイッチとして、私は香りに注目しています。

ひろ